部族の起源を伝える精霊の祭りとジャングル、躍動する火山から野生の海の魅力まで。
地球最後の秘境に息づくさまざまな生命の魅力を伝える、驚きと発見の2時間

赤道直下の島国、パプアニューギニア。地球最後の秘境といわれています。
そこには、手つかずの大自然と、独自の先住民族文化、そして自然と調和して生きる様々な命があります。
ニューギニア島の北、ニューブリテン島を舞台に、ラバウルの火山とともに暮らす人々や先住民族のお祭り
「マスクフェスティバル」――さらには、原始の海そのものの姿と見紛うばかりのキンベの海中の光景を通して、
ラストフロンティア「パプアニューギニア」の野生の魅力を紹介します。

～首都：ポートモレスビー～

パプアニューギニアの玄関口です。
近年は天然ガスなどの資源ビジネスで注目を集め、ダウンタウンは建設ラッシュでにぎわっています。
その一方で、目の前にコバルトブルーの海が広がるのどかな南国の風景が共存しています。
成田空港からジャクソン国際空港へは、ニューギニア航空が週1便を就航。
旅好きな日本人ですら、年間の渡航者はわずかに3000人程度という未だ知られざる国です。

～ニューブリテン島 ラバウル～

首都ポートモレスビーがあるニューギニア島から北にプロペラ機で約1時間のニューブリテン島は、
九州とほぼ同じ面積で、大部分を熱帯原生林に覆われた三日月形の島です。
島の東側、日本人にもなじみ深い火山の町、ラバウルでは、毎年7月に
「ナショナル・マスク・フェスティバル」という部族のお祭りが開催されます。

パプアニューギニアは、メラネシア系をはじめとして、パプア系、ミクロネシア系、ポリネシア系など、
800以上の少数民族が暮らしています。それぞれ独自の言語、習慣、伝統を持っていますが、
中でも特徴的なものがマスク＝仮面です。

お祭りに際して仮面を使う風習は、アフリカ、インド、東南アジアをはじめ世界各地で見受けられます。
ここパプアニューギニアでも、それぞれの部族が精霊など、信仰の対象を持ち、
祝祭に際しては、それらをモチーフにしたマスクをかぶって歌い踊りを披露します。

シンシンと呼ばれる民族舞踊は、それぞれの部族の伝統や歴史、信仰対象に向けた思いなどが
込められていると言われています。

こうした部族文化を継承する目的で、地元ラバウルを中心に全島から集まった部族が
独自のマスクと民族舞踊を披露するお祭りが、「ナショナル・マスク・フェスティバル」です。

番組前半は、「ナショナル・マスク・フェスティバル」を中心に、
ラバウルの火山やその麓で暮らす人々の暮らしぶり、今なお残る第二次大戦の爪痕などを紹介。
水深35ｍの海中に沈むゼロ戦の雄姿をとらえた貴重な映像もお届けします。

～キンベ～

番組後半は、ニューブリテン島の西側へ移動。
世界中のダイバーが憧れる手付かずの海、キンベの美しい水中の光景と、
その海に魅せられてオーストラリアから移り住んだ家族の取り組みをご紹介します。

大自然に囲まれたパプアニューギニアのもう一つの魅力は海の美しさです。
中でもキンベは、最も魅力的なダイビングスポットのひとつとして、
世界中のダイバーから注目を集めています。

東西に延びたニューブリテン島の中央部分。少し西に寄ったところから北へ向かって
突き出しているウィロウメッツ半島の根元の部分にキンベの町があります。

オーストラリア出身のマックス・ベンジャミンさんは、18歳の時、政府の農業事業に参加するために
ここキンベを訪れ、海の美しさに魅了されました。以来、半世紀近く。
かの地に住み着き、パプアニューギニアのダイビング協会会長をつとめるかたわら、
ダイブリゾートを立ち上げて世界中のダイバーにキンベの海の魅力を伝えています。

キンベ湾の奇跡的に美しい海を育んでいるのは、その地形に秘密があるといいます。

ニューブリテン島は東西に長く広がっていますが、キンベ湾の西側の端には
北西に伸びた半島が突き出しています。この半島や点在する島々が波をブロックするため、
海洋生物にとって穏やかな居心地のいい環境が保たれているのです。

世界中のダイバー憧れのキンベの海の美しさと、その環境を守るマックスさん一家の取り組みをご紹介します。

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