Enjoy★3Dテレビ 全国無料の3D放送 BS11の3D ココがすごい!

3D映像を作る
2010年 03月 30日

大きく分けて3種類ある3Dメガネ。何がどう違うの!?

「このメガネがあれば3Dに見えるんでしょ?」
これ、3D初心者(!?)の方によくある誤解・かんちがいです。たしかに、このメガネが3D立体視に重要な役割を果たしているのは事実ですが、残念ながらメガネさえ手に入れれば見るものすべてが立体に見えるわけではないのです。


今話題の3D対応テレビも映画館の3D映画も、基本的に原理は、メガネとモニター(スクリーン)の両方で右眼には右眼用、左眼には左眼用の映像が入るように制御しているという点で同じです。
違うのは制御の方法。


まずは、国内家電メーカー各社が発表している3D対応3Dテレビが採用しているシャッター方式のメガネ。映画館では、「XpanD」という上映システムを採用している映画館で使われるメガネです。
電源となる電池とシャッター駆動装置を内蔵していて、モニター(スクリーン)から発せられる赤外光によるトリガー信号を受けて左目と右目に対応したシャッターが開閉します。
映画館で例えると、1台の映写機から連続的に左眼用映像と右眼用映像が投影され、左眼用映像が投影されているときは、メガネの右眼のシャッターが閉じており、右眼用映像が投影されているときは、メガネの左眼のシャッターが閉じることによって、映像を制御するわけです。ちなみに、映画館にとっては通常のホワイトスクリーンで上映可能なため導入コストが小さく、日本国内で最も普及が進んでいる方式です。メガネが重く光量も不足しがちで、メガネそのものが高価なことが短所として挙げられます。


 これに対して偏光フィルターによって映像を制御するのが、偏光グラス方式で見た目は普通のサングラスそっくりです。
テレビでは韓国のヒュンダイIT社製3Dテレビが採用。映画館では「IMAXデジタル3D」、「RealD」という上映システムを採用しているシアターで使われています。


「IMAXデジタル3D」は、直線偏光フィルター方式で、左目用映像と右目用映像にそれぞれ映写機が割り当てられます。左右の映像を二台の映写機で上映するため映像が明るいのが特徴です。
直線偏光フィルター方式とは、左眼用映像と右眼用の映像を分離する技術で、映写機側でまず右眼用の映像に水平偏光をかけます。映像を受けるメガネの右眼用のレンズには水平偏光が入っているので右眼用映像だけが見えることになります。これに対して、左眼用映像には直線偏光をかけ、水平偏光がかかっている右眼用レンズでは、垂直偏光がかかっている左目用映像は見えないという仕組みになっています。この偏光の方向により左右の映像を分離して立体感を出しているのが直線偏光フィルター方式です。
短所としては偏光方向が垂直方向と水平方向のため、顔やメガネが傾くと立体視できなくなります。また、IMAXシステムそのものが大規模で高額なため、国内の商業常設館は109シネマズのうち4館のみです。

 
「RealD」は、円偏光フィルターシステムを採用しています。映写機のレンズの前に偏光板を置き、回転させて偏光を与え、観客はそれと同じ円形偏光のメガネをかけて映像を見ます。直線偏光システムが、垂直方向と水平方向の偏光なのに対して、左回り、右回りという円の偏光をかけることが大きな特徴です。このことにより、首の位置に関わらず立体効果がえられます。
 また、従来のフィルムの映写機は24コマ/秒でしたが、最近のデジタルDLPプロジェクターは、もっとハイスピードな映像を再生できます。片目用に72コマ、両目で合計144コマという従来の6倍速で映像を走らせることができ、脳はちらつき(フリッカー)を感じなくなります。さらに、DLPプロジェクターを使うと映写機は1台のみの使用で済みます。
メガネも安価で使い捨て可能ですが、映画館のスクリーンを通常のホワイトスクリーンから偏光専用のシルバースクリーンに張り替える必要があり、導入コストが大きくなりがちです。


最後に「Dolby 3D」上映システムは、基本的なシステム構成は「RealD」に似ています。DLPプロジェクターとメガネを使用し、コマ数が144コマ/秒であるのも同じですが、異なるのは左右の目に映像を振り分ける方法です。「RealD」は偏光をかけることで左右の映像を分離しますが、「Dolby 3D」はRGBの3原色のスペクトルをそれぞれ左目用映像、右眼用映像に割り当てます。映写時には右用だけのRGB、左用だけのRGBを交互に表示します。
「Dolby 3D」はRGBの3原色が完全に得られているので色再現がよいのが特徴です。ところが、「Dolby 3D」の色分離するメガネはRGB作るのが非常に大変で、マルチコーティングによって色を分離するため、かなり値が張ってしまうのが短所です。


ぜひ、映画館に実際に足を運んで違いを楽しんでみてください。映画の内容はもとより、上映システムの違いも3D映像鑑賞の楽しみの一つになること請け合いです。


 

Enjoy★3D at 2010/03/30 14:32 │ 3D映像を見る楽しむ

このページの先頭へ