2024年7月30日(火)
太田昌克の視点
『太田昌克の視点』
再び世紀の大接戦 鍵はガザと副大統領
2024年7月26日(金)放送分より
米紙ニューヨーク・タイムズが今月25日に報じたアメリカ大統領選挙に関する世論調査によると、共和党候補のトランプ前大統領の支持率が48%、民主党候補指名を確実にしたハリス副大統領が47%と大接戦。バイデン氏が精彩を欠いた先月の討論会以降、苦しい戦いになっていた民主党だが、ハリス氏に候補が代わったことでニューヨーク・タイムズは「討論会での失敗前に状況が戻った」と指摘した。
鍵を握るのは「ガザ情勢」と「副大統領候補」、この2つだと太田は見ている。 近年の大統領選はペンシルベニア、ミシガン、ウィスコンシンのラストベルト中西部3州を取った候補が勝者となっている。そこでハリス氏の副大統領候補の下馬票に挙がるのはラストベルトの州の知事、ペンシルベニアのシャピロ知事とミシガンのウィットマー知事だ。
太田が民主党関係者に取材したところ、シャピロ知事の方が頭一つリードとの見方も。ただシャピロ氏はユダヤ系で、アメリカの歴史上、大統領選でユダヤ系の候補が名前に挙がったのは2000年の民主党アル・ゴア候補の伴走者、ジョー・リーバーマン氏ただ一人。そのためユダヤ系のシャピロ氏を担ぐなら、ガザでの戦争を終らせないとミシガンなどに多いアラブ系移民はハリス氏に投票しなくなる可能性が極めて高くなる。
しかし先日、米議会で演説をしたネタニヤフ首相は停戦の素振りを見せていない。盟友のバイデン大統領がネタニヤフ首相に鈴をつけられるかが、大統領最後の大仕事になるだろう。
※このコーナーでは、BS11の報道番組で放送した内容を元に記事にして掲載しています。
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番組キャスターで共同通信編集委員、ジャーナリストの太田昌克が取材したネタを中心に、独自視線で語るコーナー。毎月第2・第4金曜日放送中。