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太田昌克の視点

2024年11月25日(月)

太田昌克の視点

『太田昌克の視点』

「トランプ2.0」 不確実性に備える世界

「トランプ2.0」 不確実性に備える世界

2024年11月22日(金)放送分より

 トランプ次期大統領の閣僚人事の最大の特徴は、まずトランプ氏への忠誠心、そして大統領選のスローガン「MAGA(メイク・アメリカ・グレート・アゲイン)」、この二つだ。中でも心配されるのが国防長官候補のFOXニュース司会者、ピート・ヘグセス氏。最大の官僚機構をいかに運営していくのか、経験不足が否めない。さらに心配なのが、米情報機関トップである国家情報長官(DNI)候補のトゥルシ・ギャバ―ド氏だ。元々民主党の下院議員だったギャバード氏だが、かねてシリアやロシアへの宥和的発言が問題視されている上、情報機関での分析経験がない。

 太田の取材に対し国防総省の元高官は「これはひどい人事。唯一まともな判断ができるのは国務長官候補のマルコ・ルビオ氏くらいか」と一蹴。一連の人事から読み取れるのは、トランプ政権1期目よりも不確実性と予見不可能性がはるかに高まるリスクだ。

 このような状況の中、各国は着々と備えを始めている。例えば11月16日にペルーの首都リマで行われたバイデン米大統領と習近平国家主席の米中首脳会談で、習氏はウクライナ侵攻を巡り「中国は和平交渉の仲介役としてシャトル外交を展開している」とバイデン氏に説明。場合によってはプーチン氏との宥和政策を進めるかもしれないトランプ氏の登場を見越し、中国としても主要プレーヤーになろうと先手を打っていることが分かる。

 また、トランプ1期目に駐米大使を務めたエストニアのヨナタン・ブセビィオフ外務次官は取材に対し「プーチン氏に戦争の代償を思い知らせる必要がある。そのために我々は対ロシア制裁を継続し、トランプ次期政権下においても欧州と日韓などアジア諸国が団結し続けることが求められる」と力説した。

※このコーナーでは、BS11の報道番組で放送した内容を元に記事にして掲載しています。
 一部情報は掲載の時期によって更新されることもありますので、予めご了承ください。

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太田昌克の視点
番組キャスターで共同通信編集委員、ジャーナリストの太田昌克が取材したネタを中心に、独自視線で語るコーナー。毎月第2・第4金曜日放送中。

番組サイト:https://www.bs11.jp/news/houdou-live-insideout/

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