第4回  小田原 相模の陽春を味わう

小田原 相模の陽春を味わう 第4回

相模の国の名城、小田原城。
いわずと知れた戦国大名・北条氏の居城だ。時は天正十八年、二十一万の秀吉軍に対して、籠城する北条氏の評議は延々と続くが、やがて降伏。豊臣秀吉天下統一の舞台となった。復元を終えた城郭はまことに美しく、天守閣の外回廊に立つと広々とした相模湾が一望できる。二の丸の一角。二宮尊徳を祀った「報徳二宮神社」でお参り。さぁ、散策だ。
海に近い小田原の街は風光に明るく朗らかになる。小田原が育てた名物"かまぼこ"だ。かまぼこは厚切りに限る。さすが本場のかまぼこは、硬くしなやかで気品のある味だ。うまい。この"かまぼこ"と並ぶ名物が"塩辛"だ。小田原塩辛は麹入り。口当たりがまろやかだ。ビールがほしい...。
夕暮れとともに向かうは居酒屋。名店「だるま料理店」は小田原の人なら誰もが知る。門構えに松の老樹、だるまとおかめの大石像が迎えてくれる。一番人気は純正ゴマ油で揚げる"天丼"だが、まずはビールを一杯。つづいて"シッタカ塩ゆで"を注文。
雑貝シッタカを高貴に扱う仕事に感心しつつ、貝肉をパクリ。磯かおる貝のうまさは格別だ。

<太田和彦さんが訪ねたお店>
小田原おでん本店
神奈川県小田原市浜町3-11-308

だるま料理店
神奈川県小田原市本町2-1-30

おかめ
神奈川県小田原市本町3-1-35