第11回  鹿児島 桜島の夕景と焼酎の魅力

鹿児島 桜島の夕景と焼酎の魅力 第11回

薩摩藩の居城、鶴丸城跡の裏手にある西南戦争最後の激戦地「城山」。西郷隆盛が最後を過ごしたといわれる西郷洞窟などの史跡がある。展望台からは鹿児島市内が一望でき、その奥に"桜島"がどっしりと構える。雄大だ。西郷が最後に見た"桜島"はどんな姿だったのだろう...。
昭和二十四年に一杯五十円で創業したラーメン店「のり一」。先代の主人は「ラーメンは大衆のもの」と二十六年間一杯五十円で通した。あっさり塩のラーメンは、透き通るスープに思いのほかコクがある。んっ!旨い。もちもち?の茹で加減に焦がしネギがアクセントを加える。
現在でも昼三百円、夜四百円と創業時の意思を継いでいる。
夕暮れも近づいた、桜島の夕景とともに居酒屋へ。
「味乃 さつき」は女将がきりもりする創業30年の家庭料理専門店。
店名の"さつき"は漁師だった父の船から名づけた。
大きな"さつき丸"の大漁旗が、漁師の気概と豊漁への浪漫を掻き立てる。
屋久島から直送される魚を使った地魚料理はさることながら、
名物の"つけ揚げ"は、女将いわく、トビウオ、ニラ、玉子、"企業秘密"と"愛情"で出来上がる。
ふっくらしてムチッとした独特の食感と味わいは日本一の絶品だ。
なるほど"企業秘密"と"愛情"か...。屋久島の焼酎"三岳"は素朴な飲み口だ。
芋焼酎ならではの辛口の底に包容力のある甘さがあり、気持ちをほっとさせる。
今夜も優雅なひと時を心ゆくまで愉しむ...。

<太田和彦さんが訪ねたお店>
味乃 さつき(あじの さつき) 
鹿児島市山之口町8-7

花こよみ
鹿児島市山之口町10-5 千代ビル2F