第25回  愛媛・宇和島 磯香る郷土料理に舌鼓を打つ

愛媛・宇和島 磯香る郷土料理に舌鼓を打つ 第25回

築城の名手"藤堂高虎"による会心の名城「宇和島城」。
天守は、三重三層からなり、唐破風、千鳥破風の装飾が特徴で、伊達家三種類の家紋も見られる。伊達政宗の長男・秀宗が初代藩主を務めたこの城下町は、闘牛や真珠でもよく知られている。さて、散策といくか。「遊子水荷浦(ゆすみずがうら)の段畑(だんばた)」は、"じゃがいも"を栽培した段々畑。畑の頂上まで石垣で造られている。この段畑から望む"宇和海"の絶景は本当に美しい。ふもとの「だんだん屋」で、じゃがいも焼酎の"段酌(だんしゃく)"を試飲。じゃがいもの風味豊かな癖のないすっきりとした味わいだ。呑みかたはロックがおすすめとか...。昭和51年創業の「男鮨」は、宇和島で人気の寿司屋だ。名物は"ぶり"や"しまあじの「ねかせ」"。"ねかせ"は死後硬直するまえに処理・熟成させることでアミノ酸の旨味を存分に引き出す。2日目、3日目など、"ねかせ"た日にちを指定する客も多いとのこと。ご主人自慢の卵焼きもおすすめだ。夕暮れとともに居酒屋へ。宇和島市内の橋のたもとに70年続く料亭「ほづみ亭」。豊後水道の恵みを得た魚の種類は本当に壮観だ。"カワハギ"や"ヨコワ"はいずれも透明感のある旨みも濃く絶品。"鯛めし"は、炊き込みではなくタレ漬け刺身のぶっかけ卵入りだ。お酒は闘牛の名前から命名した愛媛地酒"野武士"。はるばる訪ねた港町は魚の王国。たくさんの郷土料理に囲まれて至福のひとときを過ごす...。

<太田和彦さんが訪ねたお店>
男鮨(おとこずし)
愛媛県宇和島市中央町2-3-13

ほづみ亭
愛媛県宇和島市新町2-3-8

やまこうどん
愛媛県宇和島市錦町1-7