第8回 平安京を築いた和気清麻呂と神護寺
京都市の北西に位置し、紅葉の名所として全国的にも知られる古刹・神護寺。
奈良時代後期から平安時代初期に活躍した和気清麻呂が開き、空海が真言密教の礎を築いた日本仏教にとって重要な寺院。境内には、本尊の『薬師如来立像』をはじめ、『五大虚空蔵菩薩坐像』や、現存最古の大曼荼羅・『高雄曼荼羅』など、多くの国宝が残されている。いわゆる「道鏡事件」では自らの地位や危険を顧みず、天皇の座を奪おうとする僧侶・道鏡の野望を砕く神託を奏上し、「忠臣の鑑」とも称される清麻呂。その生きざまをたどりながら神護寺の国宝の魅力に迫る。
解説:木村幸比古(霊山歴史館 副館長)