第9回 冬の大原・三千院を訪ねて
比叡山の麓・大原の里に位置する「三千院」。
その歴史は古く、8世紀に、伝教大師最澄が比叡山延暦寺建立の際、草庵を開いたのが始まりとされる。その後、皇子皇族が住持する宮門跡となり幾度かの移転を経て、現在の大原の地に落ち着いた。城郭を思わせる石垣に囲まれた広大な境内には、建造物や彫刻など数多くの文化財が残されているが、中でも、庭園に建つ重要文化財・「往生極楽院」の本尊・阿弥陀三尊像は国宝に指定され、その柔和な表情で参拝客たちに安らぎを与えている。さらに、自然豊かな里山の寺院である三千院の四季を通じた魅力に、京都の写真家・中田昭氏とともに迫る。あわせて、仏教音楽"声明"発祥の地としても知られる里の冬の表情を訪ねる。
解説:中田昭(写真家)