第37回  横浜・野毛 昭和が残る異空間

横浜・野毛 昭和が残る異空間 第37回

呑んべえの聖地「横浜・野毛」。戦後、闇市として発展し今でも戦後の昭和の雰囲気を残す。野毛は美空ひばりとの縁も深く、ひばりのデビューもこの野毛であった。ひばり像前から野毛山をめざす。「野毛山公園」は1926年に開園した歴史ある公園。みなとみらい21地区を見おろすことができる高台にある。横浜の絶景ポイントのひとつだ。公園内を散策。「野毛山動物園」は公園と同時に開園。「小さな子どもが初めて動物に出会い、ふれあい、命を感じる動物園」をコンセプトに造られ、今でも約90種の動物を飼育している。入園料はなんと無料だ。野毛山を降りて向かう「伊勢山皇大神宮」は、1870年、外来文化に接する横浜の精神的支柱として創建された。関東の"お伊勢様"とよばれ、天照大神が祭られる。さぁ、地元の神様にお参り。夕暮れの野毛を歩きつつ居酒屋へ。「小半(こなから)」は向かいが駐車場のさりげない居酒屋。魚には実力がある。おすすめはの"しこいわし"は小イワシを指でサッとさばいて薄く醤油たれをまわしたもの。傷みがはやくこの新鮮さは東京で味わえない。無口な主人は好漢、奥様は愛想のよい美人。お客たちが早くからやって来て店は盛況だ。今宵は呑んべえの聖地を呑み歩く。

<太田和彦さんが訪ねたお店>
小半(こなから)
横浜市中区花咲町1-30

麺房亭(めんぼうてい)
横浜市中区野毛町2-90桜木町スカイハイツ1F

PAPAJOHN(パパジョン)
横浜市中区野毛町1-49