第38回  江の島・藤沢 湘南の恵みに舌鼓を打つ

江の島・藤沢 湘南の恵みに舌鼓を打つ 第38回

江戸時代、「江の島弁財天」への信仰を名目として庶民の間に大流行を起こした"江の島詣で"。「江の島弁財天」は安芸の宮島、近江の竹生島と並んで"日本三大弁財天"のひとつ。藤沢市内には今も多くの弁財天への道標が残され、多くの庶民が江の島を目指したことがうかがえる。さて、現代版"江の島詣で"と行くか...。明治24年に江の島に渡る桟橋が掛けられるまでは、渡し船か引き潮時に人が背負って渡っていた。現在の桟橋は昭和39年に掛けられたものだ。江の島全体を見わたす眺望がすばらしい。弁財天を奉る「江島神社」は三つの社からなる。ふたつめの社「中津宮(なかつみや)」にて参拝。今夜もお世話になります...。「江の島岩屋」は「江島神社」の本宮ともいわれる神秘の洞窟。洞窟内には、石仏や彫刻が多く残されている。かつてはここに弁財天が奉られ江戸庶民の目的の地となっていたようだ。湘南の夕暮れとともに居酒屋へ。藤沢駅のほど近く。名店「久昇(きゅうしょう)」だ。膨大な品書きは多くの創作料理が並び常時170種。全てが定番となれる完成された酒の肴だ。一番人気は意外や"おから"だそうだが、凝った料理に堪能するとこれになるのかもしれない。お客はご常連にまじりご婦人も多く、おいしいものを食べている幸福感が店に満ちている。

<太田和彦さんが訪ねたお店>
久昇(きゅうしょう)本店
神奈川県藤沢市鵠沼橘1-17-2

いとや
神奈川県藤沢市南藤沢22-14熱田ビル B1