第1話  カプリスの繭Ⅰ

ある任務で、少年だった雄二をテロリストの手から救いだした日下部麻子。 兵士として数々の死地をくぐり抜けてきた彼女は、何の気まぐれか保護者として雄二を引き取ることにする。同僚のJBの心配を他所に、半ば強引に一つ屋根の下で暮らし始めた不器用な女戦士と少年──。まるで家族の真似事のような奇妙な共同生活の中で、雄二は徐々に人間らしさを取り戻していく。母親でもあり、また師匠でもある麻子の厳しくも愛ある「教育」の賜物か、やがて自分の生きる意味についても考えられるようになるまで成長した雄二は、麻子にある「願い」を切り出すのだった。