第38回  嵐山に遺された名宝　清凉寺 嵯峨釈迦堂

京都市右京区・嵯峨嵐山にある清凉寺を訪ねる。清凉寺は、平安時代の987年に創建された浄土宗の古刹。国宝・釈迦如来立像を本尊にしており、地元では「嵯峨釈迦堂」の名で親しまれている。また、この地には、源氏物語の主人公・光源氏のモデルともいわれる源融（みなもとのとおる）の山荘があり、融の没後、棲霞寺としたのがこの寺のはじまりとも言われている。そびえ立つ山門をくぐると本堂をはじめ、多宝塔、阿弥陀堂、一切経蔵など多くの伽藍が出迎えてくれる。番組では、境内に遺された絵図をもとに国宝・釈迦如来立像の秘密について考察すると共に、棲霞寺の本尊だった国宝の阿弥陀三尊像や多くの貴重な仏像に触れながら、静寂に包まれた清凉寺の魅力に迫る。

解説：礪波恵昭（京都市立芸術大学准教授）　ほか