第44回  夏の大原~三千院・来迎院 日本文学史に残る最古の説話集

夏の大原~三千院・来迎院 日本文学史に残る最古の説話集 第44回

京都・洛北、大原の里。日本の原風景が残るこの地は、暑い夏の京都でも涼やかな場所。今回は京都市左京区にある二つの寺院を訪れる。一つ目は、日本の伝統音楽の原点とも言われる「声明(しょうみょう)」の道場として開かれた来迎院。ここには、日本最古の説話集である国宝「日本霊異記」が大切に残されている。二つ目は、伝教大師・最澄が比叡山に庵を起こしたことから創建された三千院門跡。境内の往生極楽院阿弥陀堂には国宝・阿弥陀三尊像が安置されている。阿弥陀如来は高さ約2メートル30センチもあり、救いを求める人々の魂を極楽浄土の世界へと導いてきた。番組では、これら二つの寺院の国宝の魅力に迫るのはもちろん、街の喧騒を離れて、静寂に包まれた夏の大原でひと時の癒しを求める。

解説:京都市立芸術大学 礪波恵昭准教授  ほか