第57回  青森 陸奥湾海の幸と津軽文化を堪能

青森 陸奥湾海の幸と津軽文化を堪能 第57回

今回は青森をふらり旅。青森といえば、以前は青函連絡船の乗船客で賑わった街。陸奥湾の支湾・青森湾の海の恵みにくわえ、かの八甲田山に代表される山の自然にも恵まれたところだ。さて、まずは青函連絡船「八甲田丸」に乗ってみるか。青函トンネル開通後、廃止となった連絡船は、いま海上博物館として当時の姿を堂々とさらしている。青函航路の花形だった往時を思うと、『津軽海峡・冬景色』をつい口ずさみたくなるな。女ぁごころのぉ~、こぶしをキメながらのんびり歩くうち小腹が減ってきた。青森といえば、煮干出しラーメンの名店が多く軒を連ねる地。人気の「長尾」に入れば、深いダシの香りが鼻を刺す。ふむ、あっさりスープに手打ち麺がよくなじんで美味。食後はのんびり「アウガ新鮮市場」へ。鮮魚店など水産物を扱う店が80点あまり密集するこの市場、すごい活気だ。この時期は「ホヤ」「ホタテ」「マガレイ」なんかが旬だとか。市場裏の古川界隈から繁華街に足を延ばせば、もう、街は暮れなずんでくる。なじみの店があるんだよなぁ。居酒屋「ふく郎」。新鮮な魚介類のうまさは比類ない。「田酒」「愛娘」ほか自慢の地酒も揃っている。ショーケースには天然ホヤの姿が。ううっ。絶品の肴と銘酒にしびれる。至福のときをていねいに味わったら、もう1軒行こう。「ことぶきや」は津軽三味線ライブを聴きながら、郷土料理を楽しめるお店。大将と息子さんの力強い三味線に、女将の手踊りが色を添える。銘酒や旬の美味とともに、津軽弁がまた魅力的なんだよな。はぁ、もう1曲リクエストするか。

<太田和彦さんが訪ねたお店> 長尾中華そば 青森駅前店 青森市新町1丁目3−33

居酒屋「ふく郎」
青森市安方1丁目10−12

「ことぶき屋」
青森市古川2丁目1−5