第46回 嵯峨野の夏 大覚寺を訪ねて
今回は京都市右京区嵯峨にある大覚寺を訪れる。大覚寺は平安時代初期に嵯峨天皇の離宮として建てられたことに始まる、皇室ゆかりの門跡寺院。鎌倉時代には、亀山法皇や後宇多天皇がこの地で院政を行ったことから「嵯峨御所」とも呼ばれた。ここには、後宇多天皇が寺への思いを記した直筆の書や、嵯峨天皇と親交が深かった弘法大師・空海の足跡が記された書が国宝として大切に残されている。また、中秋の名月の頃、境内の大沢池(おおさわのいけ)で営まれる月見の宴"観月の夕べ"や、時代劇の撮影所が多い太秦の近くということもあり、映画やテレビなどの撮影によく使われることでも有名。番組では、境内の国宝や重要文化財などを訪ねながら、嵯峨野の夏を巡る。
解説:杭迫柏樹(日展常務理事) ほか