第6回  築地・時代と共に歴史を築いた町

築地・時代と共に歴史を築いた町 第6回

築地といえば観光地としても世界中から注目を浴びる築地市場。しかし古地図を見ると、この土地が時代によって様々な顔を持っていたことが分かります。今回、築地を探索するのは歌舞伎俳優・尾上右近。江戸時代初期の古地図を見ると、現在の築地がある場所は海で、埋め立てによって作り上げられた場所であることが分かります。その埋め立てには、築地本願寺が関わっており、その計画には幕府の大きな目論見が潜んでいました。江戸時代には寺町として栄えていた築地。現在もそのうちのいくつかの寺が残されています。しかし、右近が訪れた寺は驚きの姿に変貌していました。その姿とは。明治初期になると、築地は外国人居留地として利用され始めます。そこには、当時の日本人の技術を集結したある建物が存在していました。幻ともいわれるその建物とは。築地市場が開場したのは昭和初期。当時と変わらぬ扇型の建物には、市場の機能に関する秘密が隠されていました。2016年11月の市場移転を前に、尾上松也と尾上右近が、築地の変遷に触れ築地市場の姿を心に刻み込みます。

古地図案内人:増山一成(中央区教育委員)