第捌骨  託された骨(後)

理科室の標本の中から人骨が見つかった。それ自体に事件性はなく、佐々木教師の知人、曾根夏子という女性のものだったと判明する。だが、骨と共に見つかった遺品の写真に書き添えられた短歌『寄生木に想い重ねし吾が屍 腸の上 水芭蕉咲く』が気になる正太郎は、櫻子を連れ、佐々木教師の姉、小雪のもとを訪れる。小雪の爪先が珍しい「ケルト型」であることに興奮する櫻子。さらに小雪からは意外な言葉を聞かされて・・・。