第53回 足利義満が求めた禅の世界と宝物たち 相国寺
今回は京都市上京区、京都御所の北に位置する相国寺を訪ねる。
相国寺は金閣寺・銀閣寺などを山外塔頭に持ち、約100カ寺を末寺に抱える臨済宗相国寺派の大本山で、京都五山の第二位に列せられる名刹。室町幕府三代将軍・足利義満が自身の禅の修行の場として建立することを発願、約10年の歳月をかけて創建された。この寺院に残る国宝は、禅林墨蹟の傑作という無学祖元墨蹟(むがくそげんぼくせき)と玳玻盞散花文天目茶碗(たいひさんさんかもんてんもくちゃわん)。番組では、これら国宝の魅力をお届けするのはもちろん、かつて寺域に高さ100メートルを超す巨大な七重塔が建っていたことや、江戸時代の画家・伊藤若冲との深い関係についても触れながら、室町幕府の威信をかけて造られた大伽藍の数々を訪ねる。
解説:山田 邦和(同志社女子大学教授)