第68回  厳島神社・広島市流川通りで一献

厳島神社・広島市流川通りで一献 第68回

今回の旅先は、中国地方で最大の繁華街のひとつ、広島です。
まずは、フェリーで宮島へ。世界遺産の厳島神社を詣でます。海を敷地に、背景には山々を配置し、潮が満ちると本殿や回廊が海に浮かび上がる光景に見入った後は、町屋通りへ。
今の表参道は江戸時代に埋め立てられて作られた道で、それ以前はこの町屋通りが生活道路であり、表参道だったそうです。今でも当時の様子が要所要所に残る通りをそぞろ歩き。
小腹が空いたら、昼ごはんは名物の「あなごめし」。明治34年創業、あなごめし発祥の店「うえの」へ入店します。十代目当主・上野他人吉が宮嶋駅の駅売り弁当として販売したのがはじまりといわれる「あなごめし」。あなごがたくさんとれるこの宮島近海では、昔から地元料理として「あなごどんぶり」がありましたが、他人吉はそのどんぶりの白飯を改良、あなごのあらで炊き込んだしょうゆ味のご飯を考え出したのが名物発祥の由来です。

さて、場所を広島市内に移して、お楽しみの居酒屋タイム。流川通りは中国四国地方最大の歓楽街。数多くの居酒屋が立ち並ぶ中で、太田さんが向かうのは「むろか」。ガード下からはじめた炭焼き小屋から数えて18年間。現在は三川町にある和の落ち着いた雰囲気のお店です。広島の地酒でのどを潤した後は、二軒目へ。「なわない」は開業20年の名店。瀬戸内の魚介に日本酒が進み、広島の夜は更けて行くのでした。

<太田和彦さんが訪ねたお店>
あなごめし うえの
広島県廿日市市宮島口1-5-11

むろか
広島市中区三川町6-3

なわない
広島県広島市銀山町12-10