第1回  ハイラム・ビンガム号~インカ帝国の古都クスコと謎の空中古都マチュピチュ

ハイラム・ビンガム号~インカ帝国の古都クスコと謎の空中古都マチュピチュ 第1回

南米大陸ペルーの山中で1911年、ハイラム・ビンガムの一行が、スペイン人により滅ぼされたインカ帝国の遺跡「マチュピチュ」を発見する。
標高2400メートルの尾根に造られた謎の都市であった。列車はマチュピチを発見したアメリカの探険家ハイラム・ビンガムに因んで命名された。

この「ハイラム・ビンガム号」での列車の旅は、マチュピチニに行く歴史の旅である。この列車はアンデス山脈の高地に位置するクスコからアグアス・カリエンテス駅まで行く。インカ帝国に、スペイン人ピサロが初めて攻め入ったのは1532年。クスコの町は侵略者の誰もが目を見張るほど美しく、建築物は見事で、四方へ巡る道があった。現在のクスコにある建物の多くは、インカ人がつくった石組みの上に、スペイン人が作った建物が載っている様相をしている。
ビンガム号の食堂車では、乗客たちが多彩なペルー料理に舌鼓を打つ。その間ペルーに鉄道が敷かれた経緯が語られ、やがて目的地に着き、マチュピチュのホテル「サンクチュアリ・ロッジ」に行く。マチュピチュが造られた目的は明らかになっていないが、一説によると「マチュピチはインカの王パチャクティによってつくられ、全国から、険しい道を通って到達するインカ人のための巡礼の地であった。ここの居住者たちは、段々畑で農業を行い、巡礼者に食料を提供していた」と考えられている。
この美しい列車の旅はマチュピチュの歴史とインカの神聖な世界を訪ねるユニークな旅である。