第9話  重ね模様の夜

「陽の中学時代の写真とかない?
 台本を読んで、なんとなくあの頃の陽に近い雰囲気かなって思って。
 中学の時の写真は俺......ほとんど持ってないから」

ドラマの役作りのため、陽から中学時代の写真を借りた夜は、
写真と共に思い出の品を見つけ、当時のことを思い出す――。
幼なじみの夜と陽は、正反対の性格ではあったが、仲がよく、一緒にいることが多かった。
けれど、成長するにつれて、つきあう友達が変わっていき、二人は徐々に疎遠になっていく。
そんなある日、すっかり変わってしまったと思っていた陽の、
変わらない気持ちを知った夜は......。