第20話  

akinodouwa_20.jpg ジュンソの祈りが通じたのか、翌朝ウンソは意識を取り戻す。ジュンソは病室からウンソを連れ出し、アトリエに運んだ。手術をするには、体力の回復が必要だった。もう誰も邪魔する者はいなかった。夢にまで見た2人だけの生活が始まった。あの懐かしい海岸で、肩を寄せ合うジュンソとウンソ。それを遠くから眺めるテソクの穏やかな顔つき。テソクの胸に去来するウソクとの思い出。ウンソの病はしだいに悪化していった。症状の進行を示すかっ血も始まった。ウンソはジュンソに写真を撮ってくれとねだった。そしてテソクにも。まるで、私のことを忘れないでと言うかのように。