第22回  智積院~長谷川派の傑作!国宝・金碧障壁画

kyoto-roman_22.jpg 今回は、京都市東山区にある智積院を訪ねる。真言宗智山派の総本山で、現在全国に末寺3千余カ寺を擁し、壇信徒数は約30万人にのぼる大寺院。様々な貴重な寺宝が残されている中で、注目すべきはやはり長谷川等伯一門による国宝をはじめとする障壁画の数々。能登の七尾に生まれた長谷川等伯が30歳を過ぎて正式に活躍の舞台を京都に移し、その当時狩野派の独断場だった京都画壇で名だたる絵師として登りつめた様子を目撃して来た作品の数々。26歳という若さでこの世を去った息子・久蔵との親子の競演を果たした『桜図』と『楓図』。豊臣・徳川の天下人の思惑を秘めた『松に黄蜀葵図』など、番組では、その時代背景や人間模様にスポットを当て、境内の収蔵庫に残された障壁画を専門家の解説を交えながら鑑賞し、作品の裏にある様々な人間模様をあぶり出しながら長谷川一門を天下の絵師集団へと上らしめたその理由と作品の魅力を探って行く。