第8回  アメリカ×カナダ『世界"最長"国境はナイアガラ滝の絶景に通ず』

国境ハンター:小池良介

世界の国境を歩いてみたら・・・ 今回の舞台、アメリカ・カナダの国境は約9,000キロ...同じ2ケ国間の国境としては世界最長の国境だ。
旅の始まりは、パイニー・パインクリーク・ボーダー空港から。ボーダーの名を冠するだけあって、世界でも珍しい2ケ国間にまたがる空港だ。米側と加側、どちらから入国するか選べるのだが、今回、国境ハンターがチョイスしたのは「カナダ」。
街で情報を聞き込み、向かったのは国境の街・エマーソン。米・ミネソタ州と接するこの小さな街は、最近、不法入国者の話題でもちきり。アメリカ政府の移民政策が大きく変化していく中、カナダへと「逃げて」くるアフリカ系移民たちがあとを絶たないという。死を覚悟しながらも国境を越えて来ざるをえない人々の現実に、国境ハンターは思わず絶句する。旅は国境を越え、アメリカ側のペンビナへ...さらに東の向かいワーロードという街に辿り着く。新たな情報を得て向かった先は、カナダにあるバッファロー・ポイントと呼ばれる、アメリカ大陸先住民が暮らす場所。ネイティブ・アメリカンとの邂逅は、北米の「国境の歴史」は先住民と「侵略者」たちとの果てしない戦いであったことを知る契機となる。それもまた「国境」のひとつの真実...。
さらに旅を続けていくと、カナダの中にぽつんと存在するアメリカの飛び地、ノースウエスト・アングルへと辿り着いた。辺境の飛び地に存在するだけあって、入国審査もかなり独特。国境ハンターは初めての「テレビ電話」での入国審査におっかなびっくり!飛び地に暮らす人々とのふれあいは、自身の人生を振り返る経緯ともなったようで、また新たな涙が頬を伝った。
そして旅はクライマックスへ!ナイアガラ・フォール・シティへと辿り着いた国境ハンターは、世界三大瀑布のひとつに数えられる、ナイアガラの滝へと辿り着く。実はこの世界的に有名な滝も国境で分けられた場所。人間が人為的に引いた線=国境と、大自然の生み出した絶景を前に、国境ハンターは、一体何を思うのか...?