第13回  内戦から20年・・・国境のドナウ川に新国家が誕生!?

国境ハンター:江頭ゆい

世界の国境を歩いてみたら・・・ 今回は、クロアチアとセルビアの国境!「クロアチアは、確か、サッカーW杯で準優勝・・・くらいかな。で、セルビアは・・・うーん」なんて方も多いはず。国境ハンターの江頭ゆいも、その一人。
まず向かったのは、クロアチア側の国境の街・ブコバル。ここはおよそ20年前まで行われていたクロアチアとセルビア(ユーゴ)の内戦で、最大の激戦区になった場所。国境ハンターがそんな町を歩いていると、住宅街にそびえたつ「塔」を発見!しかも何らかの工事中のよう。実はそれ、内戦で破壊されたという元給水塔。かつてはこの町の、シンボルタワーだったのである。ブコバルには、いわゆる戦争遺産がいくつもあり、当時の様子をいまに伝えているのだ。ハンターは、当時の病院の様子を再現した博物館、そして紛争を実体験した住民から話を聞き、内戦の悲惨さを改めて感じることになる。
さらに国境沿いを歩いてみると、ちょっと変わった場所を発見。そこは、「無主地」と呼ばれる場所。無主地とは、主人のいない土地・・・つまり、セルビアにもクロアチアにも属さない土地のこと。なぜそんな土地があるのか?それは、国境となっているドナウ川の流れが変化したから。およそ200年前にの護岸工事によって、いまの流れになったドナウ川。それを国境だとするセルビアと、護岸工事前の流れが国境だとするクロアチア。両者の認識が違うため、領有権が重なる部分もあれば、逆にどちらの国も領有権を主張しない場所が出てきたのである。これこそが、無主地。ハンターは無主地に暮らす人々に密着。彼らの生活もハンティングすることに。
そして、この無主地に、新国家を作った人物がいるとの情報を入手し、セルビアの街・アパティンへ。なんとそこで、新国家・リべルランドの大統領へ取材ができることに!緊張して待っていると、短パンで現れた大統領!さっそくボートでドナウ川を1時間、リベルランドへと向かう。どんな国なのか?期待に胸を膨らませていると、大統領とハンターの行く手を阻む警察の姿。「ボクは監視されているんだ。」と、大統領。なぜ一国の大統領が警察から監視を!?実はリベルランドは、国際社会からはまだ認められていない、いわゆる〝自称国家〟。そのため、無主地と言えど、ドナウ川を渡って上陸するリベルランド大統領を、危険人物と認識しているようなのだ。国境を歩いてみたら・・・、そこには、理想を掲げて建国した自分の国に、入ることすらできない大統領がいた。
そしてもうひとつ、国境の街・シードには、いま多くの難民が集まっていた。国境ハンターは、彼らのたまり場に潜入。なぜ、ここセルビアに来るのか?さっそくその謎をハンティング。すると、彼らの最終目的地は、イタリアやフランス、スペインなどの西ヨーロッパだという。セルビアからクロアチアの国境を越える、その準備をしているのだった。安全に暮らせる土地を探して、自国を出た難民たち。しかし、そのために危険な思いをして、いくつもの国境を越えていくのである!