第6回  子供と四季を楽しめる空間『彫刻の森美術館』(神奈川・箱根)

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●子供が遊べる彫刻?箱根彫刻の森美術館へ▽旅人:野村麻純
日本の美術館の魅力を纏めた一冊の本『フランス人がときめいた日本の美術館』。著者でフランス人の美術史家ソフィー・リチャードさんのメッセージをヒントに、女優・野村麻純が日本の美術館の魅力を再発見するトキメキの旅へ。今回は、約7万㎡を誇る日本で初めての野外美術館、神奈川県箱根町にある「箱根・彫刻の森美術館」を訪れます。

●彫刻家ヘンリー・ムーアに影響を受けた井上武吉と美術館との深い関わり
彫刻の数々が並ぶ美術館の中で目を引くのは、20世紀のイギリスを代表する彫刻家ヘンリー・ムーアの作品。この美術館を語る上で欠かせない作家です。ムーアにとって野外に作品を展示する意味とは?またムーアに影響を受けた彫刻家・井上武吉は、この美術館と深い関わりが...。

●箱根・彫刻の森美術館。ソフィー曰く、「子ども連れで出かけると最高!」
その言葉の通り、まるでシャボン玉のような透明な構造体がいくつも積まれた作品には、中で遊ぶ子どもたちの姿を発見。まるで子どもが遊べるジャングルジムのよう。でも、これは「しゃぼん玉のお城」という彫刻作品。作品の上層からは、子どもだけしか見ることができない景色が広がる。さらに、旅人は蜘蛛の巣のように張り巡らされた網目状の作品も発見。約1千万メートルものネットを手編みで編み込んだ「おくりもの:未知のポケット2」という彫刻作品だ。ネットをくぐったり、のぼったりして遊ぶ子供たち。子供たちが加わり、初めて作品は完成形となる。

箱根・彫刻の美術館は、ムーアや創設者たちがこだわった「野外」に広がる、遊び心豊かな美術館。そこは、子どもたちと一緒にでかけたい、そんな美術館でした。

紹介作品:ヘンリー・ムーア「横たわる像:アーチ状の足」、ニキ・ド・サン・ファール「ミス・ブラック・パワー」、井上武吉「マイ・スカイ・ホール(天への道)」、ピーター・ピアース「しゃぼん玉のお城(カーヴド・スペース)」、堀内紀子「おくりもの:未知のポケット2」 ほか

取材協力:箱根・彫刻の森美術館