第19回  トルコ×ギリシャ『紀元前からの犬猿の仲 その原因を求めてキプロス島へ』

国境ハンター:布川隼汰

世界の国境を歩いてみたら・・・ 今回の国境旅の舞台はトルコとギリシャ。実は両国は、幾度となく戦争をくりかえりて来た、世界でも有数の犬猿の仲と言える。もともとオスマン帝国というひとつの国だった両国だが、ギリシャが独立。実質的なトルコVSギリシャの戦争が始まった。2017年にはトルコのエルドアン大統領が、ギリシャを訪問、実に65年ぶりのことだった。長年の関係性に終止符を打つ、「歴史的な雪解けか!?」とも話題になったが、トルコ側が、現在の国境線の見直しを要求するなど、逆に「世紀の大失敗」に終わった。歴史的にも根深く、今もなお問題を抱える両国の、そんな国境の実情に迫る!
ハンターは2度目の登場、布川隼汰。ギリシャ側の空港から旅はスタートした。
まず向かったのは国境に近い都市、テッサロニキ。アテネに次ぐ第2の都市だ。その街中でハンターが見つけたのは、街の至る所に書かれた落書きだ。多くの史跡と歴史的建造物に囲まれたギリシャ。しかし、そのイメージを覆すような街の様子。実はこれ、いわゆる「ギリシャ危機」によって爆発した国民たちが、そのうっぷんを晴らすように書いたものだった。その見学ツアーが開かれる程、街中に溢れ、当たり前の後継になっていた。落書きからギリシャの経済状態が見えてきた。
そして、ハンターは国境を越えてトルコのイスタンブールへ。そこで、隣国、ギリシャとの関係性をハンティングしていくと、「両国が抱える問題が、最も顕著にわかる場所があるぞ!」との情報をGET!それは、地中海に浮かぶ島国、キプロス共和国。
いったいなぜ?とにかく、その情報をもとにハンターは一路、飛行機でキプロスへ。
実はこの国は南と北で住む民族が違う。南側にはギリシャ系住民が、北側にはトルコ系住民が暮らしている。そこはまさに、リトル、トルコ×ギリシャ。1900年代半ばからトルコ系住民による独立の動きが強まり、国を二分しての内戦が繰り広げられたのだ。16000人以上という多くの死傷者を出し、結果、北側のトルコ系住民が独立を宣言。北キプロスという国家を誕生させた。しかし、北キプロスを国として承認しているのはトルコだけ。南と北の間には実質的な国境が存在するのだ。
ハンターは、その〝国境〟、グリーンラインへ向かう。するとそこで見たのは、廃墟の街。南と北の〝国境〟は、幅およそ100mにわたって立ち入り禁止。36年間手つかずの状態で置かれている。特別な許可を得て、この廃墟の国境、グリーンラインにお立ち入ったハンター。そこは、数年前まで、無数の地雷が埋められていたという。
トルコとギリシャ、そしてキプロスと北キプロス。ハンターは2本の国境線を歩いて、トルコとギリシャの「いま」をレポートする!!