第8回  千利休ゆかりの陶芸の名家『樂美術館』(京都・上京区)

japanese-museums_08 日本にはバラエティに富んだ魅力的な美術館があります。それを気付かせてくれるのは、フランス人の美術史家・ソフィー・リチャードさん。10年かけて日本の美術館を巡り、その魅力をまとめた書籍『フランス人がときめいた日本の美術館』が話題となっています。
そんな彼女のメッセージをヒントに、「トキメキ」の旅に出掛けるのは、女優の志甫真弓子。
千利休ゆかりの、茶道文化圏に建つ「樂美術館」が今回の舞台です。樂とは、樂焼の窯元である樂家のこと。千利休が茶の湯の世界を完成させるために作らせたのが樂茶碗です。美術館には、千利休が実際に手にした茶碗も展示されています。訪ねたときは、開館40周年を記念した展覧会「光悦考」展が開かれていました。江戸琳派の元祖としてしられる本阿弥光悦は、樂家と縁が深いといいます。それは、いったい?ソフィーさんは、樂家の作品について、「茶碗の色合いも、手触りも、形も歴代の当主によって異なる」と言います。いったいなぜ?番組では、千利休の茶の湯への想いに触れながら、樂家の名品が、450年もの時を越え、受け継がれ生み出され続けてきた極意に迫ります。
樂美術館には、京都で安土桃山時代から樂焼を作り続けている歴代の当主の思いがありました。

紹介作品:初代長次郎「黒樂茶碗・萬代」、本阿弥光悦「黒樂茶碗・雪沓」、「赤樂茶碗・乙御前」、「白樂茶碗・冠雪」、六代左入「赤樂茶碗・桃里」、十五代 吉左衞門「焼貫黒樂茶碗・猫割り手」ほか

取材協力:樂美術館