第23回  ブラジル×アルゼンチンA面『南米大陸に夢見て... 国境の町を作り上げた世界の移民たち』

国境ハンター:江頭ゆい

世界の国境を歩いてみたら・・・ 今回の旅の舞台は、ブラジル連邦共和国とアルゼンチン共和国。言葉も違えば、人間性も文化もまったく異なる2つの国。
大航海時代に南米大陸が発見されると、ポルトガルとスペインの間で、西側をスペイン、東側をポルトガルが統治する条約が交わされた。その結果、今のアルゼンチンはスペイン領に、ブラジルはポルトガル領として、19世紀の初めまで長い植民地時代を過ごしてきた。700キロにわたる現在の国境線は、元々はジャングルだった場所だが、肥沃な大地を求めて南米にやってきた移民たちの手によって、各地に町が築かれている。今回で5回目の登場となる江頭ゆいが、国境線に秘められた歴史をひも解いていく。
国境ハンターが最初に向かったのは、オベラという町。その町には、世界中の伝統的な民家が立ち並ぶ場所があった。実はオベラは、世界各地から移民が集まって生まれた、まさに移民の聖地。日系人のコミュニティーも存在していた。その後、渡し船で国境の川を渡りブラジルへ入った国境ハンターは、ドイツ系移民が作った町カンジド・ゴドイに到着。町を歩いていると、たくさんの双子の子供たちと遭遇。カンジド・ゴドイは、世界一双子の出生率の高い町だった。双子が多く生まれる謎を解くため、聞き込み取材を敢行!国境ハンターは、さらに北上してブラジルの町、ジオニージオ・セルケイラへ。ここは、隣接する町の住民ならば、特別な許可がなくても国境を自由に行き来できる場所だった。商店街を回ると、ほとんどの買い物客がアルゼンチン人。その背景には、ハイパーインフレに苦しむアルゼンチンの厳しい現状があった...。続いて国境ハンターは、世界遺産、イグアスの滝を目指してさらに北上。その道中、国境付近の森で、先住民のグアラニーと出会う。彼らは植民地時代、国境沿いで暮らしていたがために、様々な災いに巻き込まれた過去を持っていた。そして、旅の最終目的地、世界三大瀑布のひとつ、イグアスの滝へ。グアラニー語で〝大いなる水〟を意味するイグアスの滝は、で、世界最大級の滝は、ブラジルとアルゼンチンの国境線上に位置している。現地を巡っていた国境ハンターは、イグアスの滝が25kmも移動していることを知る。そして、かつてイグアスの滝があった場所を訪れると、そこには驚きの光景が広がっていた!