第14回  特別編『旧朝倉家住宅&三菱一号館美術館』(代官山・丸の内)

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●特別編「旧朝倉家住宅&三菱一号館美術館」へ。
日本の美術館の魅力を纏めた一冊の本『フランス人がときめいた日本の美術館』。今回は、著者でフランス人の美術史家ソフィー・リチャード氏出演回。代官山のヒルサイドテラスの裏手に佇む「旧朝倉家住宅」と日本で初めて賃貸オフィスビルを備えたレンガ造りのビル「三菱一号館美術館」を訪ねます。

●1919年に建てられたソフィーさんお気に入りの日本建築「旧朝倉家住宅」
まず向かったのは、オシャレで大人の街・代官山のヒルサイドテラスの裏手に佇む旧朝倉家の住宅。大正8年、1919年に建てられた日本建築で、2015年に重要文化財に指定されています。朝倉家は明治時代、大きな水車で精米を行うコメ問屋でした。材木商で働いていた虎次郎が婿養子に入り商売を拡大、この当たりの地主となります。後に、東京府議会の議長や渋谷区の議長など政治家になり、代官山の山手通りを整備。その頃建てたのが、この近代和風住宅。番組では、ソフィーさんとともに、旧朝倉邸を訪れ、日本の数々の美術館の中でも、特にお気に入りというこの「朝倉家住宅」との思い出を語っていただきます。

●日本の近代建築の父と呼ばれるコンドルが設計した三菱一号館
さらに、もう1つ。「三菱一号館美術館」へ。こちらも、まずは注目すべきはその建築。日本の近代建築の父と呼ばれるコンドルが設計した三菱一号館は、1894年に竣工した日本で初めて賃貸オフィスビルを備えたレンガ造りのビルでした。高度経済成長期に一度老朽化で建て替えられますが、2010年、復元され三菱一号館美術館として蘇ったのです。開館以来、定期的に「企画展」を開催されている東京三菱一号館美術館。2019年2月11日まで、ニューヨーク近代美術より前に独自の審美眼でモダンアートの作品を集めたダンカン・フィリップスのコレクションを開催中。そのコレクションには、モネやドラクロワなど今では巨匠として名だたる画家たちの絵が並びます。ソフィーさんには、そんなコレクションの中から、特にお気に入りの絵や美術画を見るときの楽しみ方を教えてもらいます。

紹介作品:子猿雪堂の襖絵等(旧朝倉家住宅)、エドゥアール・ヴュイヤール「新聞」、フィンセント・ファン・ゴッホ「アルル公園の入り口」、ポール・セザンヌ「ヴェルビュの野」、ニコラ・ド・スタール「北」、カミーユ・コロー「ジェンツアーノ」、ジョルジュ・ブラック「鳥」(三菱一号館美術館)ほか

取材協力:旧朝倉邸住宅、三菱一号館美術館