第26回  ドイツ×オーストリア『マリー・アントワネットが愛した国境グルメとは⁉』

国境ハンター:渡辺早織

世界の国境を歩いてみたら・・・ 今回の国境旅の舞台はドイツとオーストリア。国境というと、「紛争」、「領土問題」などが付き物だが...。この両国、至って仲良し!そんな国境で新発見の連続!行ってみなければ分からない、国境のリアルをお伝えします。
国境ハンターは、番組初登場となる、渡辺早織。某クイズ番組でもミステリーのハンターとして活躍する彼女は、世界史の教員免許を持ち、ピアノを14年間習っていたという、この国境にピッタリのハンター!まずは、ドイツ側の国境近くの都市、ミュンヘンから旅はスタート!
ミュンヘンでハンティングしたのは、街を走る自動車。ドイツと言えば、ワーゲン、メルセデス、アウディなど。世界を代表するメーカーばかり。なかでも、ミュンヘンでハンターが気になったのは、BMW。行く車行く車、BMW。実は、BMWはミュンヘンがホームタウン、本社があるんです。コアなBMWファンはこの本社で購入するのがステータスなんだとか。そして、ハンターはBMWに乗る男性から、こんな情報をGET。「BMWの、青と白のエンブレム。これは、ミュンヘンの青い空と白い雲を模している。そして、丸に十字はプロペラを模しているんです。実はBMWは、もともと飛行機のエンジンを作る会社として誕生したんだ。」自動車のハンティングから、国境の空に思いを馳せるハンターだった。続いては、ミュンヘンのドラッグストアで物価を調査。ドイツの「マツキヨ」的なお店に入ったハンター、向かったのは化粧品コーナー。世界的に有名なコスメブランド「ヴェレダ」の商品が、日本の半額近くで売っていた。さらに、ミネラルウォーターやパスタも、ほとんど、日本よりも2割ほど安い印象。欧州一の経済大国ドイツは、以外にも(?)物価は安めのようだ。しかし...レシートを見たハンター、何かを発見!「消費税が2種類ある!7%と19%!」そう、ドイツには日用品とぜいたく品で消費税が2種類存在する。パスタは日用品で7%、化粧品はぜいたく品で19%がかかるのだ。ミネラルウォーターも当然7%かと思いきや...「水は水道の蛇口からも出てるでしょう?ミネラルウォーターはぜいたく品、19%の消費税よ。」ドイツでのお買い物の際は、少し気を付けた方がいいかもしれませんね。ドイツに来たら、アレを食べなきゃ!ということでハンターが向かったのは、ソーセージ料理の名店。ここは国境の街、トラウンシュタイン。この地域では、ちょっと変わった食べ方をする。ソーセージに付けるものと言えば、マスタード!これは日本もドイツも一緒。だが、我々の知る、酸味の強いマスタードではなく、この地方特有の甘みの強いマスタードを付けるのだ。これがソーセージにさらにコクと旨味をプラス!国境に近い街ならではの国境グルメだ。本場のソーセージでパワーチャージしたら、次はオーストリアへ!
ザルツブルクのキレイな街を歩くハンター。土産物屋の店先でカンガルーのTシャツを発見した。なぜカンガルー?店主にハンティングすると...「オーストリアと間違える観光客が意外と多い。カンガルーってどこにいるんですか?って。ここザルツブルクは、カンガルーじゃなくて、モーツァルトが生まれた街だよ。」そう、ここは大作曲家モーツァルトが生まれ育った街。生家はミュージアムになり、毎日多くの観光客が訪れている。ドイツとオーストリアの国境は音楽にも彩られている。
ザルツブルクから国境沿いに西へ進むと、アルプス山脈の麓にある、小さな国境の街、クーフシュタイン。昼時、ハンターの耳にキレイな音色が...。それは街のシンボル、クーフシュタイン城から。ハンターは音色に導かれるように城の中へ。するとそこにあったのは、巨大なパイプオルガン。パイプの数は4300本以上。パイプから出た音は城の塔の中で共鳴し、これが巨大なスピーカー変わりとなり、街全体に響き渡るのだ。10キロ先でも聞こえるとの逸話も。小さなころから14年間、ピアノを習っていたというハンター。特別に、そのパイプオルガンを弾かせてもらいました。貴重な経験です。
続いてハンターが向かったのは、世界最大の貴族、ハプスブルク家の宮殿があった、インスブルックへ。ここでハンティングしたのは、貴族が愛した、パン。街のパン屋さんで見つけたのは、三日月形のちょっと堅いパン。このパンを気に入ってたのが、マリー・アントワネット。マリー・アントワネットと言えば、フランスのイメージが強いが、実は名門ハプスブルク家の出身で、政略結婚でフランスに嫁いだ王妃だ。「パンがないならお菓子を食べればいい」何て台詞が有名ですが、彼女が愛したのは、パン!それはホーンヒェンと呼ばれるオーストリア伝統のパン。マリー・アントワネットはこのパンが好きなあまり、お抱えのパン職人を、わざわざフランスまで連れて行き、作らせたんだとか。しかも、この三日月のパンが、フランスでクロワッサンに進化したという話も。
音楽と芸術と、美食と絶景と。ドイツ、オーストリアの国境は、似た者同士の仲良し国境だった。