第18回  法隆寺の宝物のためにつくられた美しい博物館『法隆寺宝物館』(上野「東京国立博物館内」)

japanese-museums_18 日本にはバラエティに富んだ魅力的な美術館があります。それを気付かせてくれるのは、フランス人の美術史家・ソフィー・リチャードさん。10年かけて日本の美術館を巡り、その魅力をまとめた書籍『フランス人がときめいた日本の美術館』が話題となっています。
そんな彼女のメッセージをヒントに、「トキメキ」の旅に出掛けるのは、女優の野村麻純。
今回、ソフィーさんがオススメするのは、東京国立博物館内にある「法隆寺宝物館」です。ここは、所蔵品の8割が国宝か重要文化財。あの聖徳太子が7世紀に建てたとされる、世界遺産「法隆寺」の宝物を守るためにつくられました。明治時代に皇室に献納され移管された宝物300件あまりが、所蔵、展示されています。設計は、ニューヨーク近代美術館新館を手掛けた世界的建築家・谷口吉生。2001年日本建築学会賞を受賞しました。第一展示室では、聖徳太子の娘が献上したとされる国宝「灌頂幡」に出会えます。そして、7世紀から8世紀の前半に日本の職人たちが作った小金銅仏が並ぶ第二展示室は圧巻。中でもお釈迦様が生まれた場面を再現した「摩耶夫人および天人像」は他に類を見ないユニークな像で、重要文化財です。ソフィーさんの注目は、二階の所蔵庫にある青銅器に金銀をメッキした美しい「竜首水瓶」。7世紀に造られた国宝です。週二日しか展示されない「伎楽面」にも出会えました。現存するものでは、世界最古と言われています。そこには、当時の仏教の在り方が伝わってくるようなエピソードも。ソフィーさんんが書いた「法隆寺の素晴らしい宝物」、それは、1400年もの時を越え、その時代の日本人から守り・受け継いだもの。「法隆寺宝物館」は、そんな宝物を今に伝える素敵な場所でした。

紹介作品:「灌頂幡」(国宝)、「観音菩薩立像」(重要文化財)、「摩耶夫人および天人像」(重要文化財)、「竜首水瓶」(国宝)、「五綴鉢」(重要文化財)、「伎楽面」(重要文化財)ほか

取材協力:東京国立博物館「法隆寺宝物館」