第19回  魅力あふれるエキサイティングな美術館『中村キース・へリング美術館』(山梨・小淵沢町)

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●魅力あふれるエキサイティングな美術館「中村キース・へリング美術館」へ。
日本の美術館の魅力を纏めた一冊の本『フランス人がときめいた日本の美術館』。著者でフランス人の美術史家ソフィー・リチャードさんのメッセージをヒントに、女優、野村麻純が日本の美術館の魅力を再発見するトキメキの旅へ。今回の舞台は、山梨県の小淵沢町、南アルプスの山々を望む八ヶ岳の麓にある「中村キース・へリング美術館」です。

●世界唯一、キース・へリングの作品だけを展示している美術館
赤と青の大きな屋根を持つユニークな建物は、国際的に活躍する建築家・北川原温が設計。創設したのは、美術館の名前にもなっている館長の中村和男さん。ヘリングの作品とは知らずに出会った1枚の絵が運命を変えました。たった1枚に導かれ始まった収集は100点を越え、ついに2007年、故郷の山梨の森にへリングだけの美術館をオープンします。

●美術館を取り囲むキースの杜と名付けれた6室だけのリゾートホテル
森の中には、美術館を取り囲むようにホテルやレストランが建てられています。キースの杜と名付けれた6室だけのリゾートホテルです。旅人は、特別に小淵沢の地に湧き出る源泉で足湯体験。自然とアートに触れ「自分自身を取り戻す空間」が楽しめます。

●ニューヨーク発のストリートアートのレジェンド、ヘリングの芸術とそのエネルギーを感じる
キース・へリングは、80年代のニューヨークに彗星のようにあらわれたアーティスト。Tシャツなど様々なものにデザインされ、全世界に広がりました。しかし、彼はエイズによる合併症で、31才で命を落とします。創作期間はわずか10年。ソフィーさんは、「光と影のコントラストは、へリングの生涯と時代を表す」と言っています。美術館には、そんな彼の作品の世界を体感できる五感を目覚めさせる仕掛けが・・・。アートが、限られた人たちのものだけではダメだと思っていたというヘリング。

「中村・キースへリング美術館」は、波乱万丈の生涯を生きたキース・へリングの想いを伝える、そんな素敵な場所でした。

紹介作品:「無題」「オルターピース〜キリストの生涯」「偏見は恐怖 沈黙は死」「ナショナル・カミングアウト・デー」「ルナルナ 詩的な狂騒劇!」「「スウィート・サタデー・ナイト」「チョコレート・ブッダ」「フラワーズ」「赤+青の物語」ほか

取材協力:中村キース・へリング美術館