第22回  壮麗な美術館で日本の歴史を辿る『聖徳記念絵画館』(東京・明治神宮外苑)

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●壮麗な美術館で日本の歴史を辿る「聖徳記念絵画館」へ。
日本の美術館の魅力を纏めた一冊の本『フランス人がときめいた日本の美術館』。著者でフランス人の美術史家ソフィー・リチャードさんのメッセージをヒントに、女優・野村麻純が日本の美術館の魅力を再発見するトキメキの旅へ。今回の舞台は「聖徳記念絵画館」」。明治天皇の生涯が描かれた絵画で日本の歴史を辿ります。

●明治神宮外苑に建つ、まるで国会議事堂のような貫禄の美術館。
重厚な趣の建物を入ると、中には巨大な壁画がずらり。ここには、明治天皇の生涯をテーマにした作品が、80点展示されています。実はこれらは、この美術館のためだけに描かれた壁画です。サイズからテーマまで指定された究極のオーダーメイドの美術館。描かれた場面は忠実に歴史を再現しています。作品は、優れた芸術であると同時に、政治や文化の貴重な資料でもあります。

●展示替えを行わない美術館ゆえの工夫が満載。
作品を長く後世へ伝えるための展示の工夫が満載。特別にその裏側を見せてもらいます。 さらに、作品を見学していると絵画が消えているスペースを発見。実は聖徳記念絵画館では絵画を定期的に修復する作業を行っていました。今では絵画保存のための工夫ですが、始まりには、絵画館がGHQに接収されていた時期に起こったある悲しいエピソードがありました。

壮麗な美術館で日本の歴史を辿る旅に浸れる場所「聖徳記念絵画館」。ここは、近代日本の「夜明け」を今に伝える、そんな美術館でした。

紹介作品:「大政奉還」、「江戸開城談判」、「グラント将軍と御対話」、「西南役熊本籠城」、「初雁の御歌」、「岩倉大使欧米派遣」(山口蓬春)、「枢密院憲法会議」(二世五姓田芳柳)ほか

取材協力:聖徳記念絵画館