第35回  ベトナム×ラオス『秘境に引かれた国境線 国境検問所がもたらす希望』

国境ハンター:江頭ゆい

世界の国境を歩いてみたら・・・ ◆ベトナム×ラオス編 秘境に引かれた国境線へ
今回の舞台は、東南アジアに位置するベトナムとラオスの国境。両国は元々タイ(当時はシャム)の一部でした。19世紀末にはフランスの植民地化に置かれ、独立したのはどちらも第二次大戦後。似たような境遇を経てきたベトナムとラオスは、兄弟や同胞に例えられるほどです。同じ社会主義国家でもあり政治的にも特別な友好関係にあります。今回の国境ハンターは、以前にもベトナムとカンボジアの国境を旅した経験をもつ、江頭ゆい。ベトナムの首都ハノイから出発した江頭は、山岳地帯にあるナー・メオ村に到着します。そこは、まさに秘境に引かれた国境でした。
◆ナー・メオ村で出会ったのは、自給自足で生活してきたターイ族という少数民族。
2004年、ベトナムは、貿易拡大を狙ってこの村に国境検問所を建設。検問所ができたことで、ターイ族の伝統的な暮らしは劇的な転換期を迎えていました。続いてラオスに渡ったハンターは、『織物の聖地』と呼ばれる、サムヌアという場所へ。ここで、機織りを行う11歳の女の子と出会いました。サムヌアの村人にとって新しくできた国境検問所は、これまでの苦しい暮らしに差し込んだ一筋の希望の光として受け取られていました。
◆ベトナム戦争爪痕が残るシェンクワンへ。
ベトナム戦争の際、戦火になったシェンクワン。50年たった今も、アメリカ軍の空爆の爪痕が残されていました。悲しい歴史を持つシェンクワンですが、実は、世界の考古学者が注目するスポットがあるのです。巨大な石壺がいくつも存在する、ジャール平原です。今回、国境ハンターは、ラオス最大のミステリーもハンティングします!