第28回  時代の証言者たち『博物館明治村』《愛知・犬山》~聖ヨハネ教会堂・西郷邸・帝国ホテル~

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◆時代の証言者たち「博物館明治村」へ。
日本の美術館の魅力を纏めた一冊の本『フランス人がときめいた日本の美術館』。著者でフランス人の美術史家ソフィー・リチャードさんのメッセージをヒントに、女優・野村麻純が日本の美術館の魅力を再発見するトキメキの旅へ。今回の舞台は野外で楽む「博物館明治村」。建築や文化財を巡る文明開化に触れる旅をご紹介します。

●京都・河原町から移築された「聖ヨハネ教会堂」(重要文化財)
中世ヨーロッパのロマネスク様式を基調としたプロテスタントの教会。教育者として日本に滞在し、やがて建築家として活躍したジェームズ・ガーディナーが京都の風土に合わせて設計した個性的な明治建築を紹介します。

●博物館明治村誕生の裏にあった男たちの友情
西郷隆盛の弟が目黒に建てた「西郷従道邸」(重要文化財)。明治政府が迎賓館として建設した「鹿鳴館」を思わせる洋館です。昭和15年、太平洋戦争に突入する前年に取り壊された鹿鳴館。その解体に心を痛めた建築家・谷口吉郎が、素晴らしい建築を後世に残したいと博物館の設立を構想。金沢でともに学び後に実業家となった土川元夫が資金と土地の獲得に尽力し、15棟の明治建築が取り壊しから救われ、移築されました。

●大明寺聖パウロ教会堂
長崎の島に建てられていたカトリックの教会。「ルルドの泉」が室内にある貴重な建物です。

●旧帝国ホテル中央玄関
20世紀を代表する建築家、フランク・ロイド・ライトの代表作。明治村の心意気で、様式保存により移築されました。

紹介作品:「聖ヨハネ教会堂」(重要文化財)、「東松家住宅」(重要文化財)、「西郷従道邸」(重要文化財)、「大明寺聖パウロ教会堂」、「西園寺公望別邸・坐漁荘」(重要文化財)、「旧帝国ホテル中央玄関」ほか

取材協力:博物館明治村