第36回  足を踏み入れればワクワク『十和田市現代美術館』《青森・十和田》

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●足を踏み入れればワクワク「十和田市現代美術館」へ
日本の美術館の魅力を纏めた一冊の本『フランス人がときめいた日本の美術館』。著者でフランス人の美術史家ソフィー・リチャードさんのメッセージをヒントに、女優、志甫真弓子が日本の美術館の魅力を再発見するトキメキの旅へ。今回の舞台は、青森県十和田市、十和田湖にも程近い「十和田市現代美術館」です。

●公園の遊具のように置かれた草間彌生作品に驚き!
現代アートの巨匠、草間彌生作品がチケットを購入する前に迎えてくれる。8つの彫刻群からなる大規模な作品「愛はとこしえ十和田でうたう」。十和田の街を力強く鮮やかな世界に変えています。

●驚きに満ちた魅力的な展示室
設計は建築家・西沢立衛。形も大きさも異なる白い箱のような部屋をあちこちに配置し、ガラス張りの廊下でつないだもの。その部屋、1つ1つが、世界12カ国のアーティストの1人1人のために用意されました。そして、その部屋で制作された大型作品には数々の驚きの仕掛がありました。

●巨大な少年像「BOY」で注目を浴びたロン・ミュエクや、オノ・ヨーコが平和を願った作品にワクワク。
「スタンディング・ウーマン」は、ロン・ミュエクの真骨頂、巨大なスケールの女性の像。戦後のアート界において国内外を問わず重要なアーティストとして評価されるオノ・ヨーコの作品は「念願の木」。来館者が短冊に願いをリンゴの木にかける参加型作品。それぞれのアーティストたちがこの場所のこの作品を託した意図とは?その想いに迫ります。

●栗林隆が作り出した部屋は驚きに満ちた世界
ソフィーさん注目の部屋は、栗林隆作「ザンプランド」。ドイツ語で湿地帯を意味します。栗林は、ひとつの展示室に異なるふたつの世界をつくり出しました。作家が提示しているのはふたつの世界にある「境界面」。常識を覆し、変化し育ち続ける作品は、季節によって景色を変え、見る人に違う体験と感動を与えてくれます。

●屋外で楽しむ奈良美智「夜露死苦ガール2012」の圧倒的スケール
屋外にドーンと立つ奈良美智の作品。シニカルな少女の絵で人気のアーティストの作品の前で、ワクワクする美術館、十和田現代美術館の創設の想いを学芸員に伺います。

紹介作品:草間彌生「愛はとこしえ十和田でうたう」、チェ・ジョンファ「フラワー・ホース」、ハンス・オプ・デ・ビーク「ロケーション」、ロン・ミュエク「スタンディング・ウーマン」、栗林隆「ザンプランド」、オノ・ヨーコ「念願の木」「平和の鐘」、奈良美智「夜露死苦ガール2012」ほか

取材協力:十和田市現代美術館