第39回  美しき竹工芸の宝箱 人間国宝 生野祥雲斎「大分県立美術館」(大分)

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●美しき竹工芸の宝箱 人間国宝 生野祥雲斎 「大分県立美術館」
日本の美術館の魅力を纏めた一冊の本『フランス人がときめいた日本の美術館』。著者でフランス人の美術史家ソフィー・リチャードさんのメッセージをヒントに、女優でタレントの藤田可菜が日本の美術館の魅力を再発見するトキメキの旅へ。今回の舞台は、大分県大分市でOPAMの愛称で親しまれる「大分県立美術館」です。

●人間国宝 生野祥雲斎の竹工芸が、エコール・ド・パリの画家たちのアートと出会う
日本有数の竹の産地として知られる大分県。その竹を使った竹細工を芸術に高め、竹工芸で初の人間国宝となった大分出身の生野祥雲斎。大分県立美術館では、祥雲斎の作品と様々なアートをコラボレーションさせた企画展を開催しています。訪ねたときは、モイーズ・キスリングやジュール・パスキン、マリー・ローランサン、藤田嗣治などエコール・ド・パリの画家たちの絵画と竹アートが出会う「エコール・ド・パリと竹」展が開かれていました。

●生野祥雲斎と竹との出会い、その人生に迫る
番組では、人間国宝とまでなった生野祥雲斎の初期から現代に至るまでの作品群を紹介。繊細な技法で生み出された巨匠の名品たち、最後に匠が行きついた作品とは?その変遷と生野祥雲斎の人生に迫ります。

●プリツカー賞受賞、坂 茂設計した美術館
美術館のデザインは、世界的建築家・坂 茂が設計。竹工芸を意識する格子状の天井や、街と一体化する開放的なアトリウムなどが評価され、建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を受賞しました。レストラン「カフェ シャリテ」では、坂 茂がデザインした家具や空間の中で豊後牛100%のハンバーグステーキが楽しめます。

●竹工芸名品展
ニューヨークメトロポリタン美術館で開催された際に46万人を動員したアメリカのアビー夫妻が収集した竹工芸名品展。OPAMでは、その竹の天然素材が発する自然の美しさと大分出身の画家が描いた花をモチーフにした絵画とのコラボレーションを楽しむ展覧会が開かれていました。福田平八郎が描いた花菖蒲、どの花を、どの花篭に生ければ映えるのか・・・絵画と竹の名品のOPAMならではの鑑賞法を楽しみます。

紹介作品:マルセル・ワンダース「Eurasian Garden Spirits」、モイーズ・キスリング「ミモザ」「婦人像」、ジュール・パスキン「カシスのナナ」、マリー・ローランサン「楽器を奏でる従者と女性」、藤田嗣治「裸婦」、生野祥雲斎「したたれ編仿古花籠」「八稜櫛目編盛籃」「時代竹編盛籃 心華賦」「竹組 波 風炉先屏風」「花篭 炎」「花篭 陽炎」「ホールのための置物 梟将」「白竹一重切り華入れ くいな笛」、福田平八郎「花菖蒲」、本田流星「舞」、植松竹邑「涼風立つ」、田辺陽太「子供たちにささげる土」、本間一秋「いぶき」、本間秀昭「流紋」ほか   

取材協力:大分県立美術館