第47回  丹波の軌跡『兵庫陶芸美術館』(兵庫・丹波篠山)

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●丹波の軌跡「兵庫陶芸美術館」(兵庫・丹波篠山)
日本の美術館の魅力を纏めた一冊の本『フランス人がときめいた日本の美術館』。著者でフランス人の美術史家ソフィー・リチャードさんのメッセージをヒントに、女優で脚本家の近衛はなが日本の美術館の魅力を再発見するトキメキの旅へ。今回の舞台は、丹波焼のふるさと、丹波篠山市の里山に佇む「兵庫陶芸美術館」です。

●日本六古窯の1つに数えられる「丹波焼」の故郷で現在も受け継がれている伝統
12世紀以来地元で作られている丹波焼を現在まで受け継いできた兵庫県丹波篠山市の里山に2005年に開館。趣のある街並みを抜けると白く輝く漆喰の壁と灰色の屋根瓦で構成された建物が見えてきます。まるでお城のような美術館では、兵庫県の陶芸文化はもとより時代を超えた国内外の陶芸作品を紹介しています。

●丹波焼の進化を見ていく常設展&丹波焼の里にある「最古の登窯」も訪問
平安時代末期から800年受け継がれてきた丹波焼。現在も約60以上の窯元が火を燃やし続けています。美術館の常設展では、時代の流れに沿って丹波焼の特徴と進化を見ていきます。さらに、1895年(明治28年)に作られ、兵庫県の有形民俗文化財にも指定されている丹波焼「最古の登窯」にも足を運びます。

●「イギリス陶芸コレクション」
「イギリス陶芸コレクション」では、近現代のイギリス陶芸を代表するバーナード・リーチやルーシー・リーなどの作品を中心に紹介。日本の民藝運動ともゆかりの深いリーチの作品が現代の丹波焼作品に与えた影響は?その答えを求め、丹波焼作家、市野雅彦氏の工房も訪れます。

●特別展「恋する古伊万里」
日本で初めて磁器が生まれたのは17世紀初頭のこと。場所は肥前有田(現在の佐賀県有田町)でした。土から作られる丹波焼などの陶器に対し、磁器は主に岩石から作られたもの。肥前で作られた磁器は佐賀県の伊万里港から各地に向けて積み出されたことから「伊万里焼」と呼ばれました。番組では、伊万里焼きの現代的なテーブルアレンジなどを紹介します。

取材協力:兵庫陶芸美術館、大雅工房、市野伝市窯、雅峰窯、丹泉窯