第51回  大徳寺塔頭 孤篷庵~小堀遠州・綺麗さびへの誘い

解説:京都建築専門学校 副校長 桐浴 邦夫

今回は、京都市北区にある非公開寺院、大徳寺の塔頭「孤篷庵」を訪ねる。臨済宗大徳寺派大本山・大徳寺は、古来より茶の湯と関わりの深い禅寺。中でも孤篷庵は、大名茶人・小堀遠州が自らの菩提所として建立した寺院で、茶道に携わる者にとって特別な場所である。
茶室・忘筌には、千利休・古田織部から受け継いだ「茶の湯」の心を礎に、「綺麗さび」と呼ばれる独自の世界観を生み出した遠州の美意識がそこかしこに息づいている。シンプルを追求した利休と個性的な織部、その二人の心を受け継ぎ瀟洒を極めた美意識が遠州の「綺麗さび」。茶室建築に詳しい専門家が、「忘筌」の見どころや遠州が寝泊まりした書院・直入軒を案内し、遠州独特の美意識に触れる。また、八幡市の松花堂庭園にある空中茶室(復元)を訪ね、茶道はもとより、建築、作庭、発明家としても非凡な才能を発揮したアイデアマンとしての一面も紹介。生涯に400回あまりの茶会を開いたという遠州。番組では、現代茶道の礎を築き、故郷・近江の風景を愛し続けた遠州の人物像にも迫る。

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