第54回  東福寺~知られざる"音と歌の景色"~

解説:ノートルダム女子大学 名誉教授 鳥居本幸代

京都市東山区にある東福寺は、京都最大級の伽藍を誇る禅寺。今回は、紅葉の名所としても知られる東福寺の「音の景色」と「歌の景色」を訪ねる。早朝の法堂で出会える特別なお経とは?750年前から毎日深夜に鐘が撞かれてきたそのワケとは?連綿と続いてきた禅寺ならではの音の景色を案内する。さらに、心の声に耳をすませ生まれた歌の数々も紹介する。室町時代、東福寺で禅の修行に励んだ僧侶の中に、一人の天才歌僧がいた。名前は、正徹(しょうてつ)。生涯3万首近くもの歌を残した正徹が詠んだ歌とは?室町時代最大の歌人とも言われる正徹の世界を専門家の案内で紐解く。また時を同じくしてもう一人の天才が、東福寺の文化を彩る。「龍を描けば天に飛び、不動を描きては火焔燃え立つ」と言われた画僧・吉山明兆(みんちょう)だ。彼が描いた多くの仏画や肖像画は、今も東福寺を華やかに彩っている。そんな明兆が、「紅葉の名所・東福寺」を生んだ。その経緯とは?東福寺に伝わる「音の景色」「歌の景色」を、専門家の解説を交え余すところなく案内する。

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