第61回  羅漢~心を解き放つ境地 萬福寺と南禅寺~

修行を終えてなお解脱への道を歩む尊者、羅漢。
今回は趣きの異なる3つの寺を訪ね、羅漢と羅漢信仰について迫る。
京都の南、宇治にある黄檗宗の大本山、黄檗山萬福寺。中国風の壮大な総門が、訪れた者を出迎える。実はこの寺、中国から招かれた隠元禅師によって、建物から仏像に至るまで中国式につくられている。日本の禅寺と異なり、必要なものを必要なだけ整えた豊かさ、伸びやかさを感じる寺だ。そこに居並ぶ十八羅漢もまた然り。個性あふれる羅漢像が伝えるものとは?
萬福寺の羅漢を堪能した後は、左京区にある南禅寺へ足を延ばす。ここは、京都五山別格と評される、日本で最も高い格式を誇る禅寺。南禅寺の羅漢は、日本三大門の一つと言われる三門に安置されている。藤堂高虎によって据えられた十六羅漢は、高虎のある思いが込められている。その思いとは?
最後は、右京区の愛宕念仏寺を訪ね、一般の方が刻んだ羅漢を紹介する。人々が思いを込め、供養の思いで刻んだ羅漢像は、1200体にも及ぶ。さまざまな羅漢から私たちが受け取る答えとは?三者三様、趣きの異なる羅漢めぐりの旅を紹介する。   

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