第63回  忠臣蔵~討ち入り実行までの1年10ケ月~

案内人:笠谷和比古(国際日本文化研究センター 名誉教授)

江戸時代の中頃、人形浄瑠璃の演目として誕生し、現代まで師走の風物詩として親しまれている忠臣蔵。主人公のモデルは、播磨の国・赤穂藩の家老、大石内蔵助である。今回は、吉良邸討ち入りまでの1年10ケ月の間、京都に残した内蔵助の足跡を辿る。
元禄14年の3月に起きた浅野内匠頭による刃傷事件の後、浅野家の御家断絶、赤穂城の明け渡しと窮地に追い込まれた赤穂藩。浅野家再興を目指す内蔵助は、遠縁を頼って京都・山科の地に移り住んだ。
まず最初に訪れるのは、大石内蔵助を御祭神として祀る大石神社。宝物殿には、内蔵助直筆と伝わる絵画や書簡などゆかりの品々が展示され、忠臣蔵ファンの聖地として人気が高い。次に訪れるのは、内蔵助が居を構えたと伝わる岩屋寺。この地に大きな屋敷を建てたという内蔵助の目的とは?
さらに切腹に処せられた赤穂義士46名の遺髪が伝わる瑞光院へも足を延ばし、通常非公開の内蔵助ゆかりの品を見せてもらう。布に付いた血痕が伝えるものとは?
専門家の解説を交え、師走の風物詩「忠臣蔵」ゆかりの地をめぐる。

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