第67回 徳川慶喜~江戸幕府最後の将軍の軌跡と功績~
解説:木村 武仁(霊山歴史館)
今回は徳川第十五代将軍・徳川慶喜をテーマに、ゆかりの地をめぐる。
最初に訪れるのは、江戸幕府の権威を象徴してきた二条城。徳川家康が築いたこの城は、慶喜が大政奉還を発表した場所でもあり、江戸幕府の始まりと終焉を見つめてきた。狩野探幽一門による約3600面もの障壁画がまばゆい光を放つ二の丸御殿は、国宝にも指定されている。京都での将軍の拠点でもあった二条城だが、慶喜は近くの屋敷から通ったという。慶喜が二条城で寝起きしなかった理由とは?
さらに、慶喜と共に京都の治安維持に尽力した会津藩主・松平容保にも思いを馳せ、容保が本陣を構えた金戒光明寺にも足を延ばす。京都の街を見渡せる高台に位置する金戒光明寺は、長年幕府の出城としての役割を担ってきた。そこへ約1000名の兵を引き連れて上洛した容保だが、はじめは「京都守護職」の就任を断り続けていたという。なぜ容保は引き受けることにしたのか?
幕末に詳しい専門家の解説を交え、最後の将軍の軌跡と功績を紐解く。