第68回  天才絵師の絢爛たる戦い~ガリバー狩野派VSベンチャー長谷川派~

解説:若村 亮(らくたび)

今回は、きらびやかな才能を競い合った狩野派と長谷川派の絢爛たる戦いの歴史を辿る。
最初に訪れるのは、紫野にある大徳寺の塔頭・聚光院。狩野派を代表する天才絵師・狩野永徳とその父・狩野松栄が手がけた国宝の襖絵46面が最大の見どころだ。永徳の描いた水の流れが、松栄の描いた池に注ぎ込むような巧みな作りは、革新的な永徳の技法を強調する松栄の演出。非凡な才能を持つ息子の絵を引立てようとした父の思いが絵から伝わってくる。
次に訪れるのは、長谷川派の障壁画を収蔵する東山七条の智積院。数ある障壁画の中でも一番の見どころは、長谷川等伯・久蔵親子が描いた国宝「桜楓図」だ。父・等伯を凌ぐ才能とも言われた久蔵は、「桜図」を描いた翌年、26歳の若さで急逝する。計り知れない悲しみに沈む等伯が、「楓図」に込めた思いとは?
最後に向かうのは、長谷川派の障壁画を所蔵する西陣の妙蓮寺。息子・久蔵に先立たれた等伯の障壁画が語るものとは?
プロのツアーガイド・若村亮さんの案内で、狩野派と長谷川派のゆかりの寺院をめぐる。

kyoutoroman-yuukyuu_68.jpg kyoutoroman-yuukyuu_68.jpg