第69回  桜の季節の光雲寺&東北院~天皇に嫁いだ少女たち~

解説:山本 淳子(京都先端科学大学)、中田 昭(写真家)

今回は、父の政治の道具として天皇に輿入れした二人の女性の物語を紹介する。
最初に訪れたのは、左京区にある臨済宗大本山南禅寺の境外塔頭・光雲寺。江戸時代、将軍である父・秀忠と祖父・家康の意向により後水尾天皇に嫁いだ徳川和子の菩提寺で、遺髪をはじめとする和子ゆかりの品が数多く残る。14歳で輿入れし、朝廷と将軍家のあいだで大きな役割を果たした和子とは、どんな女性だったのか?寺に残るゆかりの品から和子の人生に迫る。
次に訪れたのは、左京区にある東北院。平安時代、父・藤原道長によって、一条天皇のもとに嫁いだ藤原彰子ゆかりの寺。一条天皇をめぐって繰り広げられるライバル定子とのバトルはいかに?定子の遺児を引き取った彰子の心境とは?さらに道長の有名なうた「この世をば わが世とぞ思ふ望月の 欠けたることも なしと思へば」 の真意などを専門家の解説を交え案内する。
また和子と彰子ゆかりの寺からほど近くにある桜の名所を、写真家の案内でめぐる。

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