#7  【運命】前編

JacksonBrodie_07

ドイツのミュンヘン。男と意味のない会話をしながら、車の中で誰かを待ち伏せしているブロディ。対象者が現れると、男はおもむろに銃を取り出す。止めようとするブロディに、男は耳を貸すつもりはなさそうだ。男が母親を銃で脅している隙に、ブロディは娘を連れ去る。子供を母親に渡す仕事と聞いて引き受けたはずだった...自分のやった事に自信が持てないブロディ。
トレイシーは元警官で、今は警備の仕事をしている。元相棒で現職の警官であるバリーとは、今でも電話をする仲だ。そこに、子供を虐待しながら歩く若い母親が居た。声を掛けるトレイシーに悪態をつく母親。話が通じず、思わず殴りつけるトレイシー...。幼い子供であるコートニーは何も話さない。
数週間ぶりに探偵事務所に戻ったブロディに新たな依頼人が訪れる。1979年の始めに養子に出され"ホープ(希望)"と名付けられた女性。警官だった養父は亡くなり、母親のキティ・ウィンフィールドは昨年に他界した。ホープは、実の母が生きているのかを知りたいと言う。依頼の内容から、良い結果になるとは限らない事を示唆するブロディに、真実を知りたいと告げるホープ。
ホープの話から養父母の知人と思われるレイとマギーの老夫婦宅を訪れるブロディだったが、特に親しくしていた様子はない。そして、養夫の同僚で警察官だったレイから、ホープの実の両親は交通事故で亡くなっていたと聞く。
養子を扱う相談員の資料から、1979年の担当警官だったトレイシー・ウォーターハウスの名前を見つける。彼女が担当した子供の話を聞くため、トレイシーの住所へ向かうブロディ。そしてトレイシーから、死後数週間経って発見された娼婦の部屋で、泣きもせず呆然と座っていた当時3歳の子供の話を聞く...。
トレーシーの家で一緒に過ごす幼いコートニーに興味を持ったブロディは、彼女の職場から万引きの常習犯で娼婦のケリー・クロスの住所を聞き出す。話をするために向かったブロディだったが、そこでコートニーの母親であるケリーの遺体を発見する。