第77回 都の夜空の物語~龍岸寺・晴明神社・花山天文台~
解説:柴田一成(京都大学名誉教授)、青木成一郎(京都大学)
今回は、平安京から現代まで満天の星に願いを託した都の夜空の物語。
まず最初に訪れるのは、下京区にある龍岸寺。日本ではじめて国産の暦を作った江戸時代の天文学者・渋川春海の屋敷跡だ。寺にある星図を見ながら、のちの天文学者に大きな影響を与えた春海の偉業を紹介する。
次に訪れるのは、方除け厄除けの神として信仰を集める大将軍八神社。宝物殿には春海が天体観測のために製作した天球儀や、陰陽道の宇宙観を表す立体星曼荼羅などがある。
さらに平安時代のスーパー陰陽師・安倍晴明を祀る晴明神社に赴き、晴明と天文との深い関わりについて紐解く。晴明が天体の動きを見て帝の譲位を予測した日に起こっていた天変とは?京都大学花山天文台に足を延ばし、晴明が見たであろう天変について専門家に話を聞く。
花山天文台から晴明神社まで天文ゆかりの地をめぐり、いにしえの人々が眺めてきた夜空の星に思いを馳せる。