第79回  京都が生んだ美人画の巨匠・上村松園

解説:上村 淳之

今回は、生涯のほとんどを京都で過ごした美人画の巨匠、上村松園ゆかりの地をめぐる。
最初に訪れるのは、2020年にリニューアルオープンした京都市京セラ美術館。開館1周年記念展の一つとして上村松園の大回顧展が開催されることになり、前後期合わせて100点あまりの作品が京都に帰ってくる。松園の作品の見どころはもちろん、リニューアルされた美術館の魅力も紹介する。
次に訪ねるのは、松園の恩師・鈴木松年が眠る長楽寺。文人墨客に愛されたという寺はどこか風情があり、美の巨匠たちの心を掴んだのもうなづける。さらに長楽寺の境内地だった円山公園にも足を延ばし、松年の画塾に通っていた少女時代の松園に思いを馳せる。
また円山公園のすぐ近くにある建仁寺は、松園とゆかりの深い場所。松園が40代はじめにスランプに陥った時も、この建仁寺が深く関わっている。松園が陥ったスランプとは?
女性の社会進出に理解のなかった時代、様々な困難を乗り越えた松園の生涯。松園の孫にあたる花鳥画の第一人者・上村淳之さんの話を交え、美人画の巨匠・上村松園の生涯を追う。

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